コーヒートリップ「ベトナム編」。
今回はホーチミン市内のベトナムスタイルのカフェを沢山めぐってきました。
ベトナムコーヒーの最大の特徴は、” バターを混ぜて焙煎した深煎りの豆を使う ” こと。ロースターによって、香りやコクを出すための独自の焙煎レシピがあるようで、その種類は、魚醤、チコリー、チョコレート、バニラや砂糖など、バラエティに富んでいます。特徴的な甘い香りは、10年程前にラオスで飲んだフレーバーコーヒーにも近い雰囲気があります。
ベトナムコーヒーを調べていると、” Trung Nguyên(チュングエン)” の名前をよく耳にしたので、絶対飲んでみたいと思っていました。写真のこのお店は、そのチュングエン豆を使っているカフェで、ホーチミンの中心から少し離れたチョロン地区にあります。
カフェのメニューは、コーヒー大国ベトナムらしく、国産のコーヒー豆のみを取り扱っていて、豆は、アラビカ/ロブスタ/ブレンド、それから、各々の種類のピーベリー(※1)があり、そこから豆を選んで注文ができる仕組みです。豆の量り売りもしています。
アラビカ種はさらに、ティピカ、ブルボン、カトゥーラなど、多くの種類に枝分かれします。詳しい話は置いておいて、コーヒーの品種を大きく分けると、” アラビカ種 ” と ” ロブスタ種 ” の二つに分けられます。
ロブスタ種は安価なことから、缶コーヒーやインスタントコーヒーなどに使われることが多いのですが、ベトナムでは、もともとロブスタがスタンダードだったようで、その苦味と独特なコク、練乳との相性が好まれて、カフェでも必ずと言っていいほどメニューに登場し、よく飲まれていることが伺えます。このカフェでは 1杯 30,000VND~(約¥150)でした。ロブスタ種のコーヒーは、想像よりもおいしてくびっくりしましたが、価格が少し高めのアラビカ種シングルと飲み比べてみると、やっぱりアラビカの方がおいしかったです。
底に細かい穴の開いたアルミのフィルターで、ゆっくり、ゆっくり、時間をかけて抽出した濃厚なコーヒーを、練乳を入れたカップに落とし、スプーンで泡が立つほどよく混ぜて、氷がたっぷりと入ったグラスに移すと ” cà phê sữa đá(カフェ・スア・ダー)” (※2)の出来上がりです。これが伝統的なベトナムコーヒーと言われてます。
こってり濃厚なコーヒーを、よく冷えたお茶と一緒に、時間をかけて飲むのがベトナムスタイル。コーヒーとお茶という組み合わせも、中国とフランスのミックスされた文化を感じられて面白いです。
ベトナムコーヒーレポートは、まだまだ続きます。
※1 ピーベリーは丸い形をした「丸豆」のことで、一般的な半円球で平らな部分に線が入っている「平豆」と区別されます。
※2 cà phê nâu đá(カフェ・ナウ・ダー)という呼び方もあるそう。
text by w and m. photo by w