Yamabato Clock Smith

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明治~昭和初期、名古屋地域は時計生産の激戦区だったそうです。当時は日本一の製造数を誇り、東南アジアに向けて輸出もしていたそうですがこのごろは名古屋に行くたび、状態の良いゼンマイ時計の数がだんだんと少なくなってきたなあと感じています。

中古品を扱うお店などでは、動かなくなったゼンマイ時計はジャンク品となり、メンテナンスをすればまだ何年でも使えそうなものでも売れないと順番に捨てられていきます。動かずに捨てられそうなものも動くようになれば、次の世代に引き継ぐことができて大切に使ってもらえるかもしれないと、個人的にこれはもったいないと思った時計を見つけたらなるべく買い取って直しています。

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名古屋の老舗時計会社『今津時計』をオーバーホールしました。振り子がまったく動かず、時報のゼンマイは空回り、バネも弾け飛んでしまってました。バラバラに分解して、パーツをクリーニング、木のケースは水洗いします。

じつは、古い時計って部品の材質も贅沢。無垢の木のケース、真鍮のムーヴメント、いつまでも長く使えるようにと作られ、頑丈なうえに作りがシンプルなのでめったに壊れません。きちんと調整をすればほとんど復活します。いつまででも使えそう。

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ムーヴメントの組み立て完了。スムーズに動くように調整をして注油をします。鋼のゼンマイバネがはじけると大変危険なので、作業中は必ず広がらないようにしておきます。

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このあと、垂直に壁に吊るして3日くらいかけて、精度(進み遅れ)を調整していきます。無事に完全復活し、元気良く動いています。歯車の状態も良く、また100年ぐらいは使えると思います。ボーンボーンと響く鐘が楽器みたいです。

ちなみに、やまばとの時計技師は趣味で何十台と時計を分解しているうちに、いつの間にかオーバーホールできるようになってたという完全独学なので専門的な知識はありません。


2014-10-30 Goods